職業・キャリア教育成果検証部会

職業・キャリア成果検証部会(研究会)

2014.01.22

日時:平成25年10月12日(土) 16:00~18:30

会場:長崎短期大学 第2合同講義室(本館2階)

 

プログラムと内容:

 

[1] 話題提供等

1.「インターンシップの推進政策と短期大学における職業統合的学習」【九州大学 吉本 圭一】

概要: 職業・キャリア教育の視点から、文部科学省の提唱するインターンシップの普及の状況と、それに対する現状と課題、そこから見えてくる学生の状況や地域の取組みを紹介した。

 

2.「短大でのWIL?」【筑波大学 稲永 由紀】

概要: 昨年度(平成24年度)の公開研究会での報告(「WIL(work integrated learning)とは何か」)を踏まえ、今回は、短期大学における「WILのあり方」を考察する上での重要な視角についての報告を行った。最初に、前回のおさらいとしてWILの定義を押さえ、WILと見なされる学習形態が多様にあることを、オーストラリアでの例を中心に概観した。その上で、日本の短期大学の特徴および志向性を考えた場合、地域ステークホルダーとしての雇用者と連携することは必須だが、学修年限が短いが故に実施可能なWILプログラムに期間的な制約が出てくること、国家資格指定養成との絡みで分野によってWILプログラム設計の柔軟性が異なってくること、そして、比較的小規模な機関の多い短期大学においては、WIL実施のための資源的制約があまりに大きいこと、などが課題として指摘された。こうした制約を乗り越え、最大限の効果を得られるような、日本の短期大学の現状と環境に適したWILのあり方について、短期大学関係者が試行錯誤しながら取り組むことが重要ではないかとの問題提起を行った。

 

[2] 報告

 

「WILの課題(問題提起)」【北海道大学 亀野 淳】

概要: 日本や海外の職業教育の紹介から、WIL(work integrated learning)の課題、特に短期大学においてWILを当てはめてみることを問題提起として、議論の題材を提示した。 まず、日本における職業教育の紹介や、海外での学校種や教育形態、職業教育、学生生活などの状況を紹介した。例えば、京都産業大学の事例を示し、同校の具体的なプログラムや学修支援対策などを取り上げた。また、職業教育の種類(インターンシップ・専門実習など)の実態を検討、日本におけるWILの導入とその課題を整理した。日本でのWILといった場合、既存のカリキュラムがその役割を果たしていることが多々存在しているため、それらの取組みの再整理がまず課題であること、その上で、WILに取り組んでいくことがキャリア教育に有用であることを述べた。 その上で、短期大学教育についても言及し、現行の職業・キャリア教育が既にWILの取組みである場合が多く、視点を変えて再整理することで、より効果的な教育をすることが可能だろうと問題提起を行った。

 

 

[3] 質疑・議論

 

① WILを実際に短期大学で実施するとはどういうことか。WILの定義に線引きがないため実施するとなると、具体的にはどういったものが当てはまるのか。 ② WILは医療や保育の分野では実習といったもので実施済みであり、有用性がはっきりしているが、キャリア系(人文科学・社会科学系など)の学科で取り組みを行うとして、何が当てはまるのか、また有用であるのか。   以上の2点を軸として質問がなされ、様々な議論を展開した。その中でWILの定義やその問題点、また短期大学教育や、各学校の体制などによりフレキシブルに考えて、取り組みをする視点が必要であることが指摘された。短期大学教育の現場に立つ教員の側からは、より実質的で有用性のあるWILの取り組みに対する質問・意見が出た。それに対してはWILの自校への導入とともに、既存のカリキュラムや取り組みをWILの視点から見直すことができることが明らかとなり、今後の既存のものの見直しを行うことが課題として挙げられた。一方で、キャリア系(人文科学・社会科学系など)の学科でのWILといった場合には、個々の対応が求められていることから、既存のカリキュラムのみでは収まらない難しさもあることが述べられた。

 

総括: 今回は職業・キャリア教育成果検証部会へ講師(北海道大学 高等教育推進機構 准教授 亀野淳氏)をお招きし、短期大学でのWIL(work integrated learning)の有用性について理解を深める研究会を開催した。内容は以上の通りであった。 全体として、今後職業・キャリア教育へ各短期大学がどのように取り組んでいくべきか、また連携事業の中でどのような職業・キャリア教育を模索できるかなど、おおいに議論がなされた研究会となった。

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